2017年2月5日
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┃■┃■┃ 渥美育子オフィシャルメールマガジン No.1     ┃■┃■┃

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みなさん、こんにちは。

人間の歴史を通して多くの異なる民族が教育は非常に大切だと考え、学校を建てルールを作り、世の中を良くしようと若者たちを教えてきた。その結果が現在のように真実を軽視し、うそを言いまくり、強権で支配しようというリーダーたちが大国を支配する世の中になった。アッと驚くほどすごい技術や叡智を生み出し蓄積したけれど、民族や宗教がちがうと共存できず、人間の歴史はいまも破壊と殺し合いの連続である。

一体『教育』とは何なのか? 教育の力で破壊と殺しをねじ伏せることは永遠にできないのか?

(1)脱Closed Mind のススメ
(まずは、世界全体がよく見えるところに出よう)
(2)日本総点検、あるいは学校の現場から
(何かがおかしい。チェックしよう。)
(3)地球規模の課題を解く、“世界共通教育バスケット”のデザインを!
(民族や宗教が違っても殺し合いにならない教育を世界中の知恵の結晶から集めることができたら、それはどんなものになるだろうか?)

この3本立てでみなさんといっしょに考えて行ければと思う。全部のご意見にお返事するのはむつかしいかもしれない。でも紙上討論になれば、すばらしい。ぜひ、ご意見をお寄せ下さい。

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┃▼┃(1)「グローバリズムの終焉」の本質は?

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「反グローバリズム」「グローバリズムの終焉」とはどういうことか?

“グローバリズム”とは超国家主義。国境が消え、世界が、あるいはその地域が一つになる動きに賛同し、そういう動きを加速させる考えや理論である。
だから、私たちはグローバリストではない。私たちは、日本という国、その固有の価値の重要性を高く評価し、一方で世界全体とバランスよくかかわり貢献したいと考えているからだ。つまり、マトリックス思考をベースにしている。

では、冷戦体制崩壊後に強くなってきたグローバルな力とは?

第一に地球そのものが一つのデイジタルな生態系のようになっていくITの急速な発展がもたらす力。これは止めようがなく進んでいく。第二に世界が一つの市場になり、EUのような巨大な自由貿易圏ができ、市場原理を共通のルールにしてグローバルビジネスが進展していく力。第一と第二が合わさってある地域のある階級にとりわけ経済格差が広がった。第三の力は国際金融の力。これはずっと以前から続いているものだ。

3つのグローバル化の力があわさって、何百年・何千年かけて作られてきた民族国家、国民国家の保守・伝統の力とせめぎ合うようになった。そこに、全く予想もしない事件がいくつか起きたのだ。独裁政権を倒しても民主国家を建設できず泥沼化したイラク戦争をはじめ中東・北アフリカの政変。東欧やシリア内乱からの大量の難民の発生。ISなど過激なテロリスト国家の出現とテロの拡散。結果、グローバル化の力と国民国家の力のせめぎ合いのバランスがくずれた。

よく観察すると、世界全体が「反グローバリズム」「グローバリズムの終焉」をひきおこしているのではない。3つのグローバル化の力のうち、“新自由主義”と言われる米英が特に押し進めてきたグローバルビジネスに揺れ戻しが起こり、保護主義の傾向が強くなってきたのだ。さらによく見れば、自由貿易が元凶ではないことは明らかである。グローバル化第一のITの力が不可逆的に進んでいくのを見据え、第二のグローバルビジネスの進展による格差の出現には、保護主義にはしるのではなく、各国が政治の力をもちいて調整をはかるべきなのだ。

では日本はどうすべきか? No.2 で扱う。

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┃▼┃(2)学校の現場から:カリキュラムの枠組みで考える先生たち

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当社の認定講師が教え終ると、担任の先生たちが集まってこられた。「“アイデンティティ”という言葉は難しすぎますよ。まだ3年生ですからね。」「“アイデンティティ”を教えるのは高校になってからです。」

認定講師はかしこまって聞いている。私が米国時代に製作した<地球村への10のステップ>というグローバル教育のプログラムをある大学の付属中学校3年生の道徳の時間に年間を通して導入していただいている1コマでのことだ。

“アイデンティティ”とは、「あなたはどういう存在ですか、ということです。」と講師がやさしい言葉で説明しなかったのは残念。でも、みんな「身分証明書」って何か知ってるよね。自分はどういう存在か、という問いかけへの答えは年を重ねるごとに深まるかもしれないけれど、英語だから難しく聞こえるだけで、内容はわかりやすい言葉で説明できる。

この言葉は、5000年の時間軸にそって色々な国や地域で起きた危機的状況の現場にバーチャルトリップし、それぞれどんなリーダーがどんなグランドルールをどのように手に入れ人々に求心力をとりもどさせたか学ぶシーン。BC13世紀のアラビア半島シナイ山のふもとで神から授かったというモーゼが持って降りた[十戒]の第一条を目にしたイスラエルの民が「奴隷のような存在」だと思い込んでいた自分たちが「神から選ばれた民族」だと知った途端、大きな勇気がわいてくる場面である。

“アイデンティティ”という言葉を中学3年で教えるのが早すぎるかどうかを問題にするよりも、「奴隷の存在」から「神に選ばれた存在」へ自己認識が一気に駆け上がったら狂おしいほど歓喜するだろう、と想像してほしい。そのあと、でももし自分たちだけが神に選ばれた民族だと思い込んでいる人たちがいたら、どう思えるかも想像してみてほしい。“アイデンティティ”という言葉の中身がよくわかるはずだ。中学3年でも理解できる。

数年前、「文科省の指導要領で、XX学年までにXXケ国以上教えてはいけないことになっているのです。」と言われ、それ以上追及する気力もなくなってしまった。
これではグローバル教育はなりたたない。

教育とは、世界全体について教えることである。これまでの政府の教育方針は身近なところから出発し、だんだんカバーする領域を広げていく、という教え方、学び方だ。それに対して世界全体を知る、総体を把握するのがグローバル教育だ。すごいスピードで物事が変わっていく21世紀には、自分・自国から徐々に広範囲に広げていっていつか世界全体を学ぶ方法では間に合わない。両方の学習法の併用が必要なのだ。中3あたりでグローバル教育をはじめるのが理にかなう。

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┃▼┃(3)“世界共通教育のバスケット”のデザインを!

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人間は大図書館にも入りきらないほどの叡智を生み出してきた。そのうちどの本や情報を読んでも逮捕されたり鞭打ちの刑に処されたりしない現在の日本に生きているのは、とてもラッキーだ。
では、みなさん、このなかから民族や宗教が違っても殺し合う気にならなくなる書物、知恵、思考体系、情報、を選んでバスケットに入れてください、と言われたら、どれを選びますか?

私はまず「道(どう)the Way]を選びますね。それも老子の教えそのものより、老子の教えを出発点として日本人が2500年かけて磨いてきたものを。その線上に「神道」も「武士道」も来ます。

また、出口光先生が生き方のエッセンスに高められた「志教育」。ただし、誤
解されないように定義づけをしっかりさせる。

昨年(2016年)はじめ、スウェーデンの医師ステファン・アインホルンが書いた『「やさしさ」という技術』(The Art of Being Kind、飛鳥新社)に出会った。日本人が思い浮かべる[やさしさ]とはちょっと違う。これは倫理についての本だ。倫理と道徳については、私は大いに言いたいことがある。

地球上に住む74億人の多様な人たちの価値観を、米国時代に3つの文化コードにまとめ<文化の世界地図>を作成した。わかったことは出身地の文化コードの価値観だけが大きくなりすぎるとネガテイブな社会が出現するということ。ルールやノウハウが価値の中心であるリーガルコード社会一辺倒だと訴訟社会に、人間関係が価値の中心であるモラルコード社会一辺倒だとわいろ社会に、神の教えに価値の中心をおくレリジャスコード社会一辺倒だと国際テロの社会になりやすい。つまり私たちは出身文化圏にかかわらず3つの異なる文化コードの価値をバランスよくあわせ持つ教育を受けると、世界が一番平和になるということ。これは目から鱗だった。

だから世界全体と5000年の時間のわくのなかで、なるべく多様な時代の多様な民族がつくりあげた知恵の結晶を集め、そこから厳選して世界中の人が学ぶのがいい。みなさん、歴史の中をくぐって、すばらしい叡智を探しだし、届けてください!

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