2017年10 月6日
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┃■┃■┃ 渥美育子オフィシャルメールマガジン  No.9   ┃■┃■┃

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みなさん、こんにちは。
すごいひとがいるものですね! マスコミには登場せず、政府の諮問委員会の花形メンバーでもなく、”超人的“な仕事を日本のために地道にこなしている方です。”超人的”というのは、まず、工学博士で法学博士。技術と法律の組み合わせは、いま世界を変えるのに最も役に立ちます。EV関連企業1200社を束ね、イーロン・マスクや豊田章男社長と交渉するなどトップレベルから頼られ、同時に次世代育成事業家として若い世代を指導してひきあげる。

とりわけ注目に値するのは日本の防衛に広く深くかかわっていられる点です。政府機関で講演・アドバイスするのはもちろんのこと、新しいアイディアで防衛機器を考え顧問をしている企業に製造させる、中国に対抗して北海道にロシアの診療所を誘致する、長野の大学に宇宙航空学部を新設したり研究所を建てる支援をする一方、中国人のエンジニアを多く教え子として持ち、日本の教育を伝授したり、地球ベースで知財、電脳、特許、開発を軸に諸外国と協働しながら、日本の伝統文化にも深く根を下ろしている。歴史から学ぶ。スポーツはウィンドサーフィンの先生で、ラリーA級ライセンサーにして、剣道5段。料理の腕はプロ級。毎週時間があれば、子どもたちに剣道や算数を教えるのが楽しみだということです。東南アジアで企業を買収したので、つぎに行くときは
お知らせください、お世話しますと言ってくださいました。

この方を守るために、本名は明かしません。でも、中国『一帯一路』構想に日本はどうかかわるべきか、海洋法を含めて日本に必要な叡智について彼の率直な意見を聞きたい方は、10月31日17時から衆議院第一議員会館で開かれる当社主催の講演会においでください。

「百田尚樹さーん、<海賊と言われた男>の次のノンフィクションモデルが見つかりましたよー」と言いたいのですが、冗談です。
そこで今回はこの方の影響もあり、

(1)日本人が “リーガルコード”(法律)を武器にすべき8つの理由
(2)学校の現場から:道徳教育より倫理教育を!
『初めての道徳教科書』(育鵬社)は日本“男子”を育てる本
(3)グローバリズム論の研究(3)馬淵睦夫『グローバリズムの終焉』
KKベストセラーズ、2017
(4)ニュース:
●講演会『日本の選択:中国 ”一帯一路”とともに歩むか、独自の
道を進み、自由世界の価値を死守するか?』
10月31日17:00-20:00、衆議院第一議員会館大会議場
予約申込み受付中
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┃▼┃(1)日本人が ”リーガルコード”(法律)を武器にすべき8つの理由

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世界共通プラットフォームから客観的に眺め日本を診断すると、何が言えるだろうか? 時間軸にそってはグローバル化に20年遅れているのに自覚症状がない。空間軸にそっては、リーガルコードが著しく不足しているのにこれまた自覚症状にとぼしいということだ。リーガルコードとは、法律重視の価値の軸である。このリーガルコードが手薄だという事実がいま、日本にふりかかる危機を一層大きくしかねない事態になっている。
日本は人間関係重視の、モノづくり大国である、この特徴をしっかり守っていくのが大切だという発想はすでに前時代のもの。とりわけ2013年から世界は”超グローバル時代”に突入したという事実をみすえ、第4次産業革命の時代に国際競争力をもつためには、いや、もっと厳密に言えば国の存亡の危機を戦い抜くためには、リーガルコードをもっと武器にする必要がある、と強調したい。

日本人が法律が持つ力にもっと注視し、倫理に裏打ちされた法的思考を身につけ、21世紀の世界を作り直すために法をどう利用すべきか積極的に考える必要がある、8つの理由を具体的にあげてみよう。

(1) 国際法の新たな重要性:

国民国家中心の1980年代までは、「国際法」とは例えばある国のタンカーとある国の軍艦がどこそこの海でぶつかった、どのように解決するのがフェアかといった国際紛争の法的解決を中心としていた。だから辺境的であり、世界の能力ある法律家たちにとってあまり面白い課題ではなかった。

ところがグローバル時代になり、地球まるごとに目が向くと、宇宙にも海にも制裁権を伴ったしっかりした「国際法」が存在していないことに気がつく。これはとんでもないことだ、と世界制覇を目指す国の政治家たちが気がついて、自分たちで新たに「国際法」をつくってやれ、と実行に動きだしたというのだ。

南シナ海における人工島の建設や軍事化を否定された中国が、オランダハーグに本部がある国際司法裁判所の見解を「紙くず」だと言って国際的に批判をあびたのは記憶に新しい。この中国が、世界の法の権威者たちを北京に招き、自分たちの価値観に基づく「国際法」、特に海洋法を作ろうとしているのだという。これまで法は守るべき、という受け身の態度ですごしてきた日本人にとってこれは”警鐘“だ。

日本は海洋国家だから、「海洋法」で国を守れ、というのが、10月31日の講演会のメイン講演者としてご紹介した方の強い主張である。まさに喫緊の正論だが、日本国民はまず、グローバル時代における国際法の未整備に目を向け、国際法の知識を持ち、反自由主義国の国際法への力の拡大を阻止しなければならない。

(2) 起業における法務知識の重要さ:

シンガポールがIT立国をめざし、国をあげて起業家を育成しているという。
シンガポール国立大学はこの15年間で2200人超の学生をシリコンバレーなど世界各地のベンチャー企業に派遣、技術革新を成長の起爆剤にしている、と「日経新聞」2017年10月1日は伝えている。
特にITを使う分野で起業するとき、法律の知識を持った人が加われば成功する確率が上がる。情報産業におけるルールは未開拓なところが多く、世界の最先端の状況を俯瞰してルールを武器にしていけるか、全く予期せぬ制裁の対象になってしまうかでは、ビジネスの将来が違って来てしまう。シリコンバレーで一人勝ちしている世界トップレベルのIT企業は、各国の法律面に詳しい国際弁護士を戦略チームにくわえ知財戦略を武器にしていると言われる。IT分野に限らない。起業するときはリーガルコードをバックグラウンドに持つひとを仲間に加えるようにしたい。

(3) 「競争法」の重要性に気づく:

もはや古典になりそうな話だが、グローバル化に20年遅れた日本企業が世界市場でビジネスを行う際の一元化されたルール「競争法」の重要さに気がつかず、天文学的制裁金を米国やEUなどで支払ってきたのは事実。
私の知る限りでは、米国やスイスにある著名なビジネススクールに巨額な費用を払ってグローバルビジネスプログラムをカスタムデザインしてもらって研修をおこなっていた企業も制裁の対象になっていた。ちょうど「モノづくりにおいてモノに魂を吹き込む」という匠の技が神道やそれ以前の縄文時代のスピリットという日本固有の文化からきているため、中国や米国の工場で製造に携わっている社員に品質管理のセミナを提供してもなかなか向上しないのと同じ。グローバルに競争するためには対峙する文化の底流までおりていかないと変革できないのではないか。 つまり、今後日本が第4次産業革命で先端を走るためには、人間関係90パーセントなどというモラルコード文化だけでは限界があるのではないか、と私は考える。

このところ日本企業が天文学的制裁を受けたというニュースが減っているという人がいるとすれば、試金石は今年、来年だと言いたい。欧州、アジアで巨額の制裁金リスクをともなう一般データ保護規制が、すでに施行されたり準備されたりしている。心配なのはどの日本の大企業を訪問しても、真剣に手をうたなければならないと主張する法務マインドをもったひとがほとんどいないことである。

(4) 「法」の輸出による市場開拓:

後進国(インフラ未整備国)へ「法」を輸出することで、その国の市場を取り込める。日本政府がベトナムやミャンマーの法整備を支援してきたことをご存知だろうか?
今回ミャンマーでは、会社法、倒産法の導入でオーストラリアに負けてしまったが、政府と民間が力を合わせて国際標準づくりに成功すれば、日本人になじみのあるやり方で他国にビジネスを広めることができる。
イノベーションとルール(国際規格)づくりは、車の両輪のように同時になしとげないと負けかねない。日本がこれに本格的に気づいたのは2010年頃。
この戦略をすすめるために例えば、法務の専門知識とエンジニアリングでのadvanced degree を同時にとれるような大学院のダブルメジャーコースの設定など、日本が「法」を輸出しやすくなる国内改革が望まれる。
(5)(6) AIやゲノム編集における新たな法整備への参画:

AIやゲノム編集がグローバル時代の産業の中枢になってきたため、これらの暴走に歯止めをかけるため、世界各国の法律専門家に加え、ITや医療の専門家、心理学者、哲学者、宗教家たちが集まって会議を重ね、人類共通のルールを新たに作り上げていかなければならない段階にきている。
そんな時、日本からぜひ、と招かれる ”東洋の知性”とよばれるような人が何人いるだろうか? 弁護士に匹敵する法の知識はもとより、世界宗教や東洋思想、医療、IT,歴史認識において、深い文明論的見識を持つ日本人。とりわけ求められるのが高い倫理性だ。そんな”超人”を育てるには、文科省の”学習指導要領”の枠を超えた「次世代型グローバル教育」が必要になる。
来年度から日本の学校には特別教科として”道徳教育“が導入される。しかし、学校教育に導入すべきは、時代と環境によって変化する”道徳教育”ではなく、”倫理教育”なのである。

もし日本が世界のルール作りに本格的に参画したいのなら、”ヨーロッパの知性”と呼ばれたアルジェリア生まれのユダヤ系フランス人、ジャック・アタリのような日本人を将来育成しようという壮大な計画を立てる時ではないだろうか? そのために必要なカリキュラムは、私が作成した<文化の世界地図>の世界3大文化コ-ドすべての良い点を併せ持つようなものになる。日本人に一番足りないのはリーガルコードの勉強だ。

(7) 世界のトップ企業を顧客にするためには:

日本の大手物流企業のグローバルビジネス教育を3年にわたって担当したことがある。私が米国で25年間世界のトップ企業を顧客にしていたので、「世界トップレベルのグローバル企業を顧客にするカギは何なのか?」とたびたび聞かれた。
答えること自体は簡単だ。リーガルコードが背骨としてしっかり通っている企業になること。彼らは人間関係で動いている企業など、全く信用していない。
危なくてしょうがないからだ。これが彼らの本音である。

(8) グローバルリーダーとして認められるには:

いま日本で「リーダーシップセミナ」が熱い。学校でも塾でも「リーダー教育」といえば人気があるようだ。しかしこれらはほとんど「日本人による日本人のためのリーダー教育」である。欧米では、リーガルコードをしっかり身につけていない人は、大企業や政治の世界でリーダーとみなされにくい。政治の世界では、オバマ夫妻、クリントン夫妻、トニー・ブレア夫妻、故リークワンユー夫妻、みな夫婦そろって弁護士の資格を持っている。もちろん悪徳弁護士もいるだろうが、トランプ大統領に理念がなく、金がもうかる方に傾く節操のなさというイメージがつきまとうのは、法に基づく論理的思考ができないことと無関係ではない。しかし、今回の大統領選ではリーガルコードを身につけていた人間が既存勢力から多額の寄附をもらい、人間として品格のない候補者がポリティカル・コレクトネスの偽善性を引っ剥がしたのも事実だ。だからといってリーガルコードの価値が下がることはありえないが。

いま、個人データの寡占で世界から厳しい目で見られている”情報産業の一人勝ち企業”グーグルのCEOは、「日経新聞」のインタビューにこう答えている。
「高い倫理基準に基づいて行動していく」と。リーガルコードにのっとって寡占を非難され、それに対応しのり越える武器として、高い倫理基準が用いられている。これほど理不尽な危機に襲われているにもかかわらず、リーガルコードは地球上でまだ健全だ。
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┃▼┃(2)学校の現場から:道徳教育より倫理教育を!
『はじめての道徳教科書』(育鵬社)は日本“男子”を育てる本
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米国で起業し、各国に出張しながら25年暮らした後、私は”もっとも倫理的な人間”の一人として日本に帰ってきた。欠陥はいっぱいあったけれど、そして桁外れの法破りも多くあったけれど、米国社会は生きるためには法と倫理が大切だということを私に教えてくれた。
帰国後ある教育関係の会合で、「世界中のひとたちはすべて子ども時代に倫理教育と道徳教育の両方を受ける必要がある」と述べたら、日ごろ教育論に熱弁をふるう人たちの誰も賛同してくれないのでショックを受けた。米国では倫理と道徳はことばが違うのだから当然内容も違うと考えられているが、日本ではほとんど同じだと
みなされている。しかし日本人が書いた論文や記事を注意して見てみると、生命や遺伝子に関する時には「倫理」が使われているから、区別すべきときには区別していることがわかる。
国内だけでなく、世界中で活躍できる日本人をもっと多く育てたいとなると、世界の多様な人たちがどういう倫理・道徳観を持っているか理解することが重要だ。米国時代に制作した<文化の世界地図>TM(世界地図社)によると次のようになる。

●リーガルコード文化圏 (法律やノウハウを重視)とレリジャスコード文化圏(戒律を重視、イスラム教文化圏のこと)は法律・戒律という絶対の価値を中心に据えている社会で、倫理と道徳を分けて考える傾向が強い
●モラルコード文化圏 (人間関係を重視)は関係性重視の相対的価値中心の社会で、道徳と倫理は重なっている場合が多い

「道徳」と「倫理」の違いについてはすでに何度も書いた。しかし重要なのでもう一度確認したい。「道徳(Morality)」はある社会的状況におかれた時、どういう態度、マインドセットであるべきかという、心の内側からの規範。 従って時代や環境、指導者によって変わりうる。
それに対して「倫理(Ethics)」 は、人類は正常なDNAを持って存続すべきである、地球資源には限界がある、といった絶対の前提条件を踏まえて、人間として何をすべきか、何を絶対にしてはいけないかという、外から期待する規範である。従って道徳に比べ時代を超えた価値、普遍性をもつ。
だから、地球に生命をもらった人間はみな、両方の教育を受けるべきなのだ。
すでにそう叫ぶのは遅すぎるくらいだ。

では、日本の現実を見てみよう。2014年11月、文科省は中央教育審議会(中教審)の提案を受け、2018年度から道徳教育を「特別の教科」に棚上げして実施すると発表した。どんな授業になるのだろうか? 道徳教育の教科書として2013年末に育鵬社が出した自信作『はじめての道徳教科書』の中身を見てみよう。

3つの疑問がわく。

(1)子どもたちの心を育てる33話として載せている実話は3つを除いて全部男性が主人公だ。僧侶、野球の選手、新幹線開発者、軍人、医者、宮大工、京大教授、アンパンマン、米国の政治家、・・・Boys・・, Be Gentleman….
きわめつけは第14話: 新ちゃんの流しびなという題で、生まれた赤ちゃんが未熟児ですぐ死んでしまった話。死んだ赤子を抱いてタクシーに乗った父親が主人公だが、激痛に耐え新しい生命を産んだ喜びもつかの間、絶望のどん底におちた奥さんを慰め励ます人間的なシーンを期待していた私は完全に裏切られた。これまた男の
話であった。
こんな「小学生から読める新しい道徳のスタンダード」をグローバル時代に出版したのは一体誰だろうと思ったら、日本を代表する識者として活躍中の男性28人なのである。おそらく彼らは女性の活躍など念頭にもない人たちに違いない。これが新しい道徳の教科書なら、疑り深い隣国から日本はひそかに再軍備を企てているので
はないかと言われても仕方がないだろう。私にとっては21世紀の現実に合わない”仰天の“内容だ。

(2)時間軸が支離滅裂。実話を「自分、人とのかかわり、生命、みんなの中の自分」といったカテゴリーに分けて並べているため、江戸時代、神話の時代、第2次大戦時代、明治時代と時間はぐちゃぐちゃ。グローバル教育では、現実世界に投げこまれた時日本人が持つ負の側面を解消するため、世界共通の時間軸と空間軸、それに
価値の軸から成る、世界を正しくとらえる”遠近法”を義務教育で教える重要性を強調してきた。日本人が持つ負の側面とは、正しい地理のような空間認識や正しい歴史のような時間認識がないためすべてが混とんとしていて、何を主張しているのかさっぱりわからない、大学まで出ても断片的知識の集合体になってしまっている
恥ずかしい現実である。この教科書の様なテキストを使い、世界の成り立ちに疎い先生から授業を受けているからそうなるのだ!
これを修正するには、ちょっとした工夫をすればよい。各の実話の横に時間軸・空間軸の図をつけて、この話は世界のいつ、どこで起きた話なのかわかるようにすればよい。

(3)時間軸が支離滅裂である延長線上として、こういう教科書にはもう一つ大きな欠陥があることを指摘したい。いま小学生である子どもが社会に出ていくとき、世界はどうなっているかという視点がゼロだということ。世界はいまや超グローバル時代で鬼則で変化がすすんでいる。日本が核兵器を含む強大な軍事力を持つ
国の属国にならないために、産業革命を起こして前進する国の追従国で終らないために、どういう心のソフトパワーが必要かを教えてあげることができないのは、最大の悲劇ではないか?

日本の道徳教育を男性の識者が牛耳るのなら、私は能力ある女性も集めて日本を世界のルールづくりにも参画できる国にするために役だつ「倫理教育」の教科書を作りたい。そう開き直りたいところだが、私の周りには人間を属性だけでとらえない、心が世界に開かれた優秀な男性も多くいる。世界に通用する、日本に自立精神を吹き込む原動力になるような「倫理教育」の教科書を彼らと一緒に作りたい。

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┃ ┃(3)グローバリズム論の研究(3):馬淵睦夫『グローバリズムの終焉』
┃▼┃ KKベストセラーズ、2017

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この本を読むと前号までで述べたことが正しかった、とくりかえすことになる。
つまり国を超えグローバルにひろがる力は5つか6つの巨大な力の複合体なので、ちょっとした国家の枠組への揺れ戻しはあるとしても、決して「グローバリズムの終焉」はありえない、ということだ。
こういう間違ったメッセージを拡散する本が「日本再発見」講座として人気を集めているのは残念だ。グローバリズムを全ての元凶のようにみなす本の著者たちは「グローバルか国の再発見か」といった二者択一の考えかたが中心で、冷戦体制崩壊後の世界ではそうした2つの正反対の力が同時に作用し、拮抗しながら進む「全体最適」を求める世界になったことに気づいていない。

今回の世界のグローバル化が始まった1990年代初頭という非常に早い時期から、私たちはグローバル時代に必須の「グローバル教育」の基盤を  ■国や民族固有の価値の軸(伝統)と世界全体としっかり関わる軸とのマトリックスにおいてきたことは正しかった、と今さらながらに思うのだ。

著者の馬淵睦夫氏は元駐ウクライナ大使、元防衛大学校教授で、グローバリズムを敵と見立てる反市場主義の論客の一人として活躍中である。この本は昨年DHCシアターの番組として放映されたものを加筆修正したという。
馬淵氏の主張の枠組みである「日本が”真”の独立をするときが来た」「保守対革新の対立軸はもう古い」「危機は知らず識らずのうちに近寄ってくる」「真珠湾攻撃を歴史的な視点から振り返る」などは100%同意できる、しかしその具体的な中身があまりにも単純に正しい、正しくない、に色分けされているので、現実はそうではないと反論しないではいられない。今年4月に出た本なのに、たとえばP.33,34でのべられている
・トランプ大統領の就任で米ロの関係は改善する
・トランプ大統領の就任で世界は戦争を回避できるようになった
・トランプ―プーチン―安倍が協力関係を結ぶので、中国が困ることになる等は全部あたっていない。

彼は「グローバリズム」を国際主義、国際干渉主義と定義し、これまでの紛争のほとんどは国際主義者が起こしてきた、と思い込んでいるため、グローバリズムを敵視する視点しかない。しかしたとえば、巨大自由貿易圏やグローバル企業群のほとんどが紛争や戦争の主な原因なのだろうか? 自国の利益だけを考える国が増えた場合、地球全体の問題は誰が責任を持って考え、対策を立てるのだろうか?

私はこれまで「50-50」(fifty -fifty)の法則を主張してきた。愛国心50%-地球家族(への愛)50%。その根拠は私たちの誰ひとりとして自分の意思でどの国にどういう属性を持って生まれるか選択できないからだ。個人として逆立ちしても選択できないことで人々を正しい、正しくないと簡単に決めつけることこそ、人々を分断
し、紛争、戦争の種となる。

そろそろ『グローバリズムの終焉』の正体が見えてきたので(この表現は彼らのものを借りている)、次回からはもっと役に立つ本を取り上げたい。
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┃▼┃(4)ニュース:(一社)グローバル教育研究所主宰

┃ ┃  ●秋の講演会『日本の選択:中国 ”一帯一路”とともに歩むか、
独自の道を進み、自由世界の価値を死守するか?』10月31日
17:00-20:00、衆議院第一議員会館大会議場 無料 予約必須
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米日以外の国々は、経済を優先して中国の”一帯一路”構想に参加しようとアジアインフラ投資銀行(AIIB)のメンバーとなった。日米は手を組み、中国に対して慎重な態度をとってきた。しかしここにきてトランプ大統領が突然”一帯一路”をビジネスチャンスととらえ、中国と組むかもしれない兆候が表れてきている。
梯子を外された形の日本は、決してあわててはいけない。中国の”一帯一路”と組むか組まないか、選択はその二者択一ではない。
叡智を駆使すれば第三の道が・・・

●申込み:info@global-kyoiku-ken.jp、Fax: 03-6661-3836
(1) お名前、勤務先、役職
住所、申し込み数、メールアドレス、TEL
(2) 資料代\1000を下記にお振込みください。
みずほ銀行広尾支店 普通2066703
シヤ)グローバルキヨウイクケンキユウジヨ
(3) 予約番号を発行し、当日入館証を準備します。
(4) 200人になりましたら締め切ります。

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●ご意見・ご感想をお聞かせください。
gmp@global-kyoiku.net

●勉強会のご案内(10月~12月)敬称略

▽10月20日(金) No.9
〔講師〕渥美育子 (一社 グローバル教育研究所 理事長)
〔タイトル〕グローバルインテリジェンスをどうつくるか?

▽11月22日(水) No.10
〔講師〕田中栄一 (NTTコミュニケーションズ(株) 常務取締役)
〔タイトル〕ビル・エモット『「西洋」の終わり~世界の繁栄を取り戻すために』
(日本経済新聞出版 2017)を読む

▽12月19日(火)No.11
〔講師〕上之門捷二 ((株)スキルパートナー監査役)
〔タイトル〕人類史における三戦について;世論戦、心理戦、法律戦

▽1月17日(木) No.1
[講師」伊藤紘一 ((一社)日本シニア起業支援機構 理事)
「タイトル」いまこそ、”哲学”から世界を観よう!
参考図書:岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」ダイヤモンド
社刊

会場:東京都港区南麻布4-5-48 フォーサイト南麻布5F
(メトロ日比谷線広尾駅 1番出口徒歩5分)03-6869-6912)

参加ご希望の方は、次のURLをクリックしてください

『グローバル教育の深掘り勉強会』スケジュール 2017年1月~4月

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