2018年8月5日
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┃■┃■┃  渥美育子オフィシャルメールマガジン  No.19   ┃■┃■┃

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8月3日、六本木ヒルズ森タワーで開催されたGlobal HR Forum Japan に参加しました。主宰したのは(株)リンク・グローバル・ソリューション。3年近く前にここの統括会社で幹部全員を対象に[グローバルビジネス]の2日のセミナを私が行ったことがある会社です。3つのセッションで司会を務めたのは、3年前に一社員としてグローバルセミナに参加してくださった方。この方がいまやグループの代表会社を率いる社長になり、このグローバルHRフォーラムを計画、主催されていたのでした。

今回3回目のこのフォーラムは、リクルート系の統括会社が持つ大きなスケールの集客力でイベントを開催するという遺伝子と、地道に問題を深堀りするアカデミズム、日本のグローバル企業の最先端の実例、世界最大のHRフォーラムと言われる米国ATD(=the Association for Talent Development)2018年度大会 の報告などが1日4つのセッションが同時進行するパッケージとして見事に実現されていました。ATDの大会には私も何年か前に参加、プレゼンしたことがあり、この組織体がいまやグローバルに成長していることを知りました。

Global HR Forum Japan で私が参加した会場で取り上げられた“いま現在進行中”のケースは、オリンパス、ソフトバンク、日立製作所、IMD、立命館アジア太平洋大学でした。ここでは、私があれほど何年間かかけて日本で主張してきた「国際化時代は冷戦体制崩壊で終わり、21世紀はグローバル時代」「日本から海外を眺める国際化時代と世界全体を俯瞰眺望するグローバル時代ではマインドセットが真逆なので視点の転換が必要」という要諦がしっかり土台となり、日本中心ではなく世界目線でのグローバル教育システムを構築するという難しい仕事が日本人によっておこなわれているということが分かったのです。いつから? どうも本格化してきたのは昨年あたりからのようです。

日本のビジネス最先端が正しい方向に変化している。このうれしいニュースはまだまだほんの一部。日本列島は平和ボケに猛暑ボケが現実なのです。
というわけで今号は、
(1)法律を重視しない国:人間力とル-ル
(2)平和ボケの研究(3)“国内担当”という浮世離れと拡張現実
(3)学校の現場から:「グローバル教育 × 志共育」プログラムの合体が
持つ衝撃を、理事長・校長たちは感じとることができるだろうか?
(4)ご意見、ご感想
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┃▼┃(1)法律を重視しない国:人間力とルール

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74億人の多様な人たちの心の構図、つまり価値観を眺望することができる<文化の世界地図>は、毎日肉眼で見ている近景や世界の特定地域の映像に加え、肉眼で見えない世界で大きなスケールの思考の足し算、引き算、掛け算、割り算を可能にしてくれるツールである。(自画自賛)

大きな思考の1つが、日本は“人間力や人間関係を価値の中心に置いている文化圏”なので、世界目線で見ると価値に偏りがあることを前提に何事も考えなければならないという考えだ。例えば、人間関係を拡大して重視するあまり法律を重視しない、だから人間関係にかかわる規範である「道徳」が中心で、対者と個の孤独で自立した関わりである「倫理」はわき役になっている。また、人間力がすべて、と言っても日本人がほとんどである日本という島国の中での人間力だけである。例えば、世界中の人がYESと言っても正しくないと思ったらNOと言える勇気や、男性中心の社会は偏っていて不健全だ、変えなければと訴える人道的な勇気も、極めて重要な人間力だと私は思う。ましてや地中海でゴムボートがひっくりかえり溺死する多くの難民や、シリアで常に爆撃さ
れ地獄の日々をすごしている人たちへの痛みを伴う思いやりは、日本人に欠けている人間力だと言える。<文化の世界地図>はこんなふうに、日常に埋没しがちの私たちが地球規模の考えをリアルに働かせる手助けをしてくれる。

私は普通の日本人より法律重視、つまりリーガルコードのパーセンテージが高い人間だと認めるが、今年当研究所の勉強会の事務局を運営してくださっている女性は私以上にリーガルコードが強い。彼女は「日本人はルールを守らない。でも文句は多い」と喝破する。みなさん、自覚症状はあるでしょうか?

一方、法律重視の国、米国を最近訪れたイギリス人ジャーナリストは次のように書いている。「米国に来てバーで身分証の提示を求められたり、ハリウッドの大物が容疑者として連行される場面を見たりすれば、この国では法律がいかに神聖視された特別なものかがすぐわかる。米国では誰も法律に逆らえないことは、民主的な政治参加より重い意味を持つ」(フィナンシャルタイムズコメンテータージャナン・ガネシュ)

日本人にとって重要なことは、グローバル時代になり地球が一つの単位となると、日本人のリーガルコードの欠如が日本に多くの不利益をもたらすようになったという事実である。

●世界市場が出現し、市場原理をルールとする「競争法」がルールとして一元化された重要さに気が付かず、多くの日本企業が毎年天文学的制裁金を課された
●現地ビジネスでもクロスボーダーM&Aでも多くの訴訟を起こされ、きちんと対応できず、結局お金で解決することに
●外交交渉で不利に
●リーガルコードに関してはほとんどすべてコンセプトや用語を米国から移入。企業における法律順守や法的統制力に関してはcompliance ,corporate governanceのように英語を使っているありさま。まるで植民地である。
●リーガルコード文化圏に本社を持つ大企業がなかなか顧客になってくれない
●国際機関を日本に誘致したいが、賛成してくれる人や国が少ない。

何しろ弁護士の資格を持たない政治家が法務大臣になる国である。グローバル人財としての教養として、すべての学生がリベラルアーツの一端として法律とその精神を学ぶ体制にしないと、解決できないだろう。

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┃▼┃(2) 平和ボケの研究(3):“国内担当”という浮世離れと拡張現実

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大企業でのグローバルビジネス研修を長年担当していると、いまでも「これまで国内市場を担当してきたので、世界の動きに目を向けることはなかった」とか「私のセクションにはグローバルな仕事はほとんどないので」と言う人たちが多いのでショックを受ける。国内市場は世界市場の一部である時代になって20年以上たっても、自分がどういう時代に生きているのかに無関心なのだろうか? テレビや新聞、雑誌などで毎日世界のニュースを報道しているのに見ていないのだろうか? 多分、時々は見ているけれど現実として受け止めてい
ないのだろう。こんな職業人が多い状態の国に、バーチャルリアリティ(拡張現実)を体験する機器や体験させる店がどんどん増えてきている。カジノでお金をもうける法案も可決された。
国内担当のビジネスでも、有効な戦略を立てるには世界のビジネスの状況を知る必要がある。すべてがつながっている21世紀には、世界のビジネスを知るだけでなく、世界の現実の総体を知る必要があるというべきだ。長年の国内顧客が外資に買収されたり、外資のサービスに切り替えたり、外国の競合が満を持して日本市場に参入することもある。“国内担当”だから国内だけを注視するのは、もはや浮世離れしている。
こんな“国内担当者”が沢山いるのは、中学3年、高校1年くらいから時代が求める[グローバル教育]を正式にカリキュラムに入れないからである。カリキュラムに入れられないなら大学入試の前に、あるいは大学を出て就職する前に1年か2年、世界を放浪するとか、自衛隊の活動を参観するとか、現実の世界を体験できる制度をつくるのをお勧めしたい。(下村元文科大臣がそういう提案をされ、巨額ファンドを集めるよう指示されていたのはどうなったのだろう)それと同時に世界に網を張って情報を収集し、肉眼で見えない現実の世界全体を心の眼で見ることができる訓練をすることに教育の主力を注ぐべきだ。
というのは、現在の日本を診断すると、行きづまり感の原因は
●グローバル化、デジタル化に20年遅れ
●極度の平和ボケ
●島国に住む負の側面
の複合だと言えるからである。その結果猛スピードで変化する21世紀の現実から脱落する一方だということ。処方箋としてはグローバル化、つまり世界目線を身に着け、島国住民の負の側面から自由になること、そして世界全体としっかり向き合い、その眼で日本を注視すること。これしかない。
それがはっきりしてきたときに、どんな理由であれ、カジノ法案(カジノを含む統合型リゾートIR実施法案)を可決させ、バーチャルリアリティの世界やゲームの世界をビジネスとして支援することは、日本を救うための優先順位としては間違っているのではないか?
カジノもデジタルゲームも一種の拡張現実。“国内担当”よりさらに浮世離れしている。現実の体験がとりわけ限られている清浄野菜のような日本の若者たちが、そんな世界の感覚を磨く時間とお金があるなら、外から日本を見る眼を養い、世界の現実の複合的にからみあった危機をしっかり把握する感覚を磨けるように、私たち大人は全力挙げて支援するほうが何倍も重要ではないだろうか?
“国内目線”を“世界目線”に変えることで日本の未来を救うべき時に、“国内目線”を非生産的な“拡張現実”に向けるどんな行為にも、良心的で自国を心配する日本人ならNOと言うべきだろう。

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┃ ┃(3)学校の現場から:[グローバル教育 × 志教育]プログラムの
┃▼┃      合体が持つ衝撃を、理事長・校長たちは感じとることが
┃ ┃      できるだろうか?

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いよいよ9月25日に私立中高一貫校の理事長、校長対象に出口光先生開発・実践の「志教育」と渥美が開発・実践してきた[グローバル教育]のいいとこ取りを可能にする[グローバル・志・教育]が始まる。

「地球まるごとが土俵の × 「日本の原点と自分の中の崇高な思いに
グローバル教育」       出会い、志をたてる 志教育」

この2つが一人の若者の中で合わさると何が起きるか? 地球全体をかかえ込み自分の使命を発見する衝撃。あなたが変わる。あなたの学校が変わる。

そんなストーリーなのだが、学事出版で改訂版が出たばかりの『全国高等学校一覧』に載っている東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の私立中高一貫校430校のリストを眺めると、不安が押し寄せる。こんなにたくさんの高校があるんだぁ! 出口先生が喜びそうな、すでに「志」が入っている校名もある。

出口先生と北見専務理事が今春、<地球村>簡易版を含む当方のグローバル教育プログラムを2日にわたって体験してくださった時、出口先生が

「すべての高校生は入学したらまず<地球村>を受けるといい。
それから国語とか理科とか現在ある科目を取る。(すると大きな
器ができ、その中に中身を入れていける)」

とおっしゃったことが忘れられない。まさにそうだからである。

これらのたくさんの私立高校が虚心坦懐に出口先生の言われたとおりに行動してくれたら、日本の学校が変わる、日本が変わる、はずなのに、誰ひとりとして聞く耳を持たないかもしれないのが2018年8月時点での日本の現実なのである。

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┃▼┃(4)ご意見、ご感想

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先ずは仕組みを真逆に変えねば。

高度成長期の仕組みが、今なおはばをきかせている。
即ち、前例主義、減点主義 、年功序列のルールで、役人の世界も、企業の世界もまだ動いている。これでは、innovationなど生まれっこない。誰もリスクを取って、無から有を生み出すようなことはしない。
このルールを真逆にすれば、思考停止状態から抜け出ることができるが、そんなことが出来るのは、精々中小企業のトップしかいないだろう。
自動車業界は、電動化の勢いが止まらない。エンジン部品メーカーの中小企業のトップは、生き残りをかけて無から有を生み出さねば生き残れない。
お尻に火がつけば、重い腰を上げるのが、人間。
大企業は、まだそこまで追い込まれていないのではないか?

(伊藤忠商事 終身理事  山田豊滋)
●ご意見・ご感想をお聞かせください。
gmp@global-kyoiku.net

●勉強会のご案内(2018年6月~2018年12月)

▽9月5日(水)No.7
「講師」伊藤紘一氏 ((一社)日本シニア起業支援機構 理事)
「タイトル」資本主義の次はシェアリング・エコノミーか?
次の2冊の参考図書を前もってお読みいただくのが望ましい。
(1)岡本裕一朗著『いま世界の哲学者が考えていること』
ダイヤモンド社、2016年9月刊、第4章:「資本主義は
21世紀でも通用するのか」
(2)田村八州夫著『シェアリング エコノミー』
幻冬舎ルネッサンス新書 2018年3月刊

▽10月26日(金) No.8
「講師」アベディン ムハンマドシャムスル氏 ((株)GREEN
シニア・ファシリテーター)
「タイトル」イスラム文化理解の最重要点

▽11月19日(月)No.9
「講師」石橋正利氏 (幸援家 (株) 総合教育研究所 代表取締役)
「タイトル」幸福学入門「幸せな人生を引き寄せる法則」

▽12月19日(水)No.10
「講師」山田豊滋氏 (伊藤忠 終身理事)
「タイトル」ESG事業に取り組む
~ビジネスを通じて社会貢献を

いずれも場所は、東京都港区南麻布4-5-58、フォーサイト南麻布5F
会議室。問い合わせ:global-fukabori@g-place.net

参加ご希望の方は、次のURLをクリックしてください
https://global-fukabori-members.peatix.com/

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「和のこころが世界を照らすグローバルマインドプロジェクト」

●発行者:一般社団法人 グローバル教育研究所

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